最近こうやってブログに自分の考えてることを色々書いたりしています。
どうしてこういうことをしているのかと言うと
「フワフワモヤモヤしてる物事を
具体的にしたい」
と言う気持ちがあるからな気がします。
このフワっとしたものを
具体的にするということで思うのは
「何かコンセプトがあって
それをデザインとか絵に起こす時」
もそのような感覚がある気がします。
なのでフワっとしたことを言語化したり
デザインとして起こしたいということが
自分が無意識で向かっている方向性
のような気がしています。
言葉に関してはこれからも色々な記事を作って
みたいと思っているので
この記事では「デザインをどう具体的にするか」
と言う話について書いてみようと思います。
最近昔描いたキャラクターのデザインを直したりしています。
昔の自分は「なんとなくこういう要素がある気がするからこういうのを入れた」
とか「密度が足りなくて何か寂しい感じがするからこういうのを入れた」
みたいなものが多い気がしますが
それが後になってみると無駄に見えてきたり
もっと適切な表現があると思う部分が
増えてきました。
なのでいろいろとわかるようになった今
それを整理しているというか
「ビジュアルを通して伝えたいことを
適切に具現化する」
といったことがデザインで達成することのような気がしています。
以下にいくつか公表しているキャラクターの
デザイン工程について書いてみようと思います
性格を具現化する
最も直近で修正したのはポムワです。
最初に公開したものはこんな感じ
ポムワはエリスというキャラと近くにいることの
多いキャラなのですが
エリスはテキパキとした印象です。
ポムワはそれと対照的になるように
丸いイメージがあったのですが
社会的に人間であるということを考えて
割と人間的な頭身で描いていました。
ですがそれが何度見てもしっくりこないというか
「このキャラクターらしくない」
と感じていました。
ガラッと一新したいと動き始めたタイミングで
以下のような感じで丸みを帯びた感じにしました
また登場人物の中でリボンのような形状のアクセサリーをつけたキャラクターが結構いました。
他のキャラと比べてポムワのリボンには深い意味がないので外しました。
またそれ以外にも
「なぜフリルのようなものをつけているのか」
とか「なぜベレー帽をかぶっているのか」
とかそういった部分も疑問が湧きます。
ですが「なんとなくやりたい事はあるからこういう形になっている」のだと思います。
ではそのやりたいことはなんなのか
何が最終地点なのか改めて考え直しました。
正直初期デザインでもストーリーに必要な要素は
満たしていました。
ですが「ストーリーに必要なものを満たしただけでは違和感があるものになってしまう」
と薄々感じていました。
そのストーリーとは関係のないけれども
必要な要素、違和感を埋めるための何かはなんなのかを考えた結果
「そのキャラクターの人柄や特徴的なクセといった無意識で感じる部分」
といったものが味付けとして必要なのではないかと思いました。
人柄や雰囲気というものは無意識のうちに刷り込まれているものです。
なので存在のありがたみを忘れがちな割に
無いと違和感を感じるものだと思います。
今までポムワのデザインに感じていた違和感は
「服装に決定的なポムワらしさを感じられない」
という部分にあるのではないかと思い始めました
上の絵は2020年に初期ポムワのキャラクター性を表現するために描いた絵です。
ここでもあるようにポムワの特徴的な部分は
「食べることが好きである」という部分なのではないかと思い
そこから「なんとなくでつけていたものを
具体的なキャラクター性を示すものに変換する」
という作業をしました。
その結果、ベレー帽はりんごの形になり
フリルのようなものはよだれかけや食事エプロンのような形状に変換しました。
初期とそこまで大きく形がずれていないのは
「最初から彼女に食べ物のようなイメージが
なんとなくあったから」
なのではないかと今になって思います。
雰囲気でなんとなくこうだなって思う事は、
気のせいではなく
🌐SNSを通じて学んだこと
で書いたように
「多くの人が見慣れすぎて意識で気付くことができない、大きすぎて見えないもの」
が隠れているように今は思います
そして多くの人が見慣れすぎているものだからこそ多く人々に本能に訴えかける何かがあり
「エモい」と感じるのではないかと思いました。
なので「なんとなくこうだと思うもの」って
実は最終的な明確な形があるのではないか
と思います。
全身ふわふわ毛玉 ポムワ#BWorld設定 pic.twitter.com/od1C5WjhRj
— 欄外 (@Lanbook) April 19, 2020
初期の絵は2020年のものです。
「なんとなく違うと思うんだけど
明確な答えが出ない」
と言う時間をしばらく過ごしてきたのは
この頃は漫画のネームが完成しておらず
コンセプトが曖昧だったということに
あると思います
漫画のネーム全話分描き終わった…!😇
— 欄外 (@Lanbook) January 17, 2021
漫画の進捗ですが全ページの下書きが終わりました
— 欄外 (@Lanbook) August 15, 2021
恐ろしくて数えてませんが1000ページくらいは描いたと思います
ネーム関係の作業が終わったのは2021年頃です
お話ができてから全体のキャラクター性が
具体的に見えてきて
「こうしたほうがいい」というのが
見えてきた気がします。
それで他のキャラクターとは違う
このキャラクターらしい要素というもの
「食べるのが好きなキャラクターという雰囲気をビジュアルで表現するのが適切だった」という結果になったような気がします。
構造を具現化する
もう一体、初期とはデザインを大きく変えたのは
ブラムと言うキャラクターです。
以下が初期デザインです。
戦うために生まれたサイボーグで
人型形態と飛行機形態がある
という設定のキャラクターです。
ポムワの場合は初期デザインの段階で
ストーリーに必要な要素は満たしていましたが
ブラムの場合は満たしていませんでした。
何が足りていなかったのかと言うと
「このキャラクターは戦うキャラクターで
戦闘シーンに必要なものが足りていなかった」
と言う部分です
こちらもポムワと同様
2020年に初期デザインを作りましたが
ネームを書き終わったのは2021年です。
初期デザインのときには攻撃手段が1つしかないような状態で描かれていました。
ですが実際にネームを書き戦闘シーンを
描いてみると
様々な攻撃手段が必要だと感じました。
面白いバトルシーンっていうのは
ただの殴り合いではないはずです。
それぞれ強みや弱みがぶつかり合い
時には精神性が見え時系列でドラマのように
展開していくものだと思います。
ブラムの戦闘シーンのネームを描いていたときは
デザインは気にせず色々なアイディアを
書いて進めていました。
その結果
「1.威力が低いけど何発も打てる攻撃」
「2.派手な必殺技」
「3.全体にばらまくことができる攻撃」
という感じで
「1.マシンガン」
「2.レーザー砲」
「3.ミサイル」
といったものを搭載するイメージになりました。
あらゆる物事において「3つ」というのは
ちょうど良い数字だと思うので
必要以上に増やさない感じに自然となりました。
よくあるバトル漫画だと
キャラが特殊能力的なものを使うので
攻撃手段に制限はないと思いますが
メカの場合はそれを無視してしまうと
一気に説得力がないものになってしまうので
より制約が厳しく難解なパズルのようになるような気がします。
こういった事は絵的な気持ちよさと
物理的な説得性が絡み合い
頭の中だけで考えるのは現実的ではないので
3Dで実際に動くものを作りながらデザインを考えていました。
腕にすべての機能を入れてしまうと
どの攻撃も似たようなポーズになってしまい
何をしているのかが分かりにくくなるので
極力ばらけさせるように考え始めました。
手首が開いたときに出てくる筒がマシンガン。
その上にある四角光る部分から
極太レーザーを出すイメージです。
ミサイルはばらまく攻撃なので
人型形態より飛行機形態の方が合っていると思い
それを前提に下半身につける構成しました。
そんな感じでまとめつつ
最終的なアウトプットは手書きなので
3Dと2Dを行ったり来たりしながら
以下のような形で最終的に収めました。
線が多くなると描くのが辛くなってきます。
せっかく生まれてきたんだから
極力描いていて楽しく気持ちの良いキャラクターにしてあげたいです。
なので何度も描いてしっくりくるまで
パーツの引き算をしていた記憶があります。
趣味だからこそ自分の納得がいくまでやれるというか自分の感覚に合ったものにできるような気がします。
多分趣味のデザインで最も時間がかかったキャラクターがこのブラムのような気がします。
彼と向き合う事は個人的に人生観を変えるほどの
多くの学びがあったような感じます。
社会性を具現化する
それとオルトロールの最初のものと
現在のものも色々語れそうです。
以下が初期デザインです
この初期デザインは2019年に描きました。
当初は「海兵の服を着たシャチの人」
という要素で描いていました。
なぜ海兵の服かというと、彼が属している
「ドラゴン対策本部」と言う組織が
軍隊や自衛隊のようなイメージで構成していたからです。
ドラゴン対策本部の人は主に陸上や空中で戦い
それぞれ戦いに合った服装をしています。
ですがオルトさんは一般的な隊員とは格が違う存在で尚且つストーリー的に海でも戦える必要がありました。
そこで海兵っぽい服をイメージしていたのですが
実際の海兵の服はと言うと…
基本的な色は白色です。
そのイメージがあったからこそ初期デザインはだいぶ白く描いていたのだと思いますが
オルトさんはみんなのヒーロー的な存在でもあるので無彩色は華やかさに欠ける感じがします。
それともう一つ引っかかっていたのは
帽子の存在です。
多分このラフは2015,6年に描いたと思いますが
アイディア段階の頃は帽子を被せていました。
ですが激しいアクションをすることを考えると
帽子をちゃんと被れていなさすぎました。
なので2019年のデザインでは帽子を被せませんでしたがやっぱり帽子を被っている方が
カッコイイ感じがしました。
なんでカッコイイかと言うと
「どこかの組織に属していて
社会的にちゃんとしている雰囲気が出るから」
なんじゃないかと思います。
ですが普通の帽子では激しい動きで脱げてしまうので被れません。
そこでふと思いついたのが
「背びれに引っ掛けることで帽子を被せることはできないか」
というアイディアで結果的にその問題を
解決することができるようになりました。
我々の世界にはこんな帽子はありません。
ですが彼らの世界は我々の世界ではないので
我々の世界とは違うルールがあっても
良いはずです。
ですが違う世界だったとしても
「重力や社会形成などの物理的なルールは
彼らの世界にも存在するので
物理的な説得力を表現しないと
納得できるものにはならない」はずです。
2010年代の自分はアーティストとして
まだまだ未熟な部分はあったと思うので
海兵の服をそのまま白く描いてしまったように
咀嚼せずに現実世界のものをそのまま持ってきてしまうみたいな部分があった気がします。
ですがたくさん作品を作り触れることで
「どこは破ってよくて
どこは破ってはいけないのか」
という事はだんだんわかってきたような
気がします。
その破ってはいけないルールと言うのは
「何万年も変わらない
本能に刷り込まれた自然界の物理的なルール」
のような気がします。
我々とは違う世界に住んでいる人たちなのだから
我々と違ってもいいのだけれども
彼らも我々と似た感性は持っているはずです。
彼らの感性を表現するためにも
我々が納得するような本能に訴えかけるようなものが必要なのではないかと思いました。
オルトさんのデザインはネームを書く前の2020年には完成だと思えるレベルになっていましたし
今描いていても特に違和感はありません。
ポムワやブラムは
「他のキャラクターとのバランス」
や「戦闘表現などの繊細な表現」
との兼ね合いがあったので
最後まで決定的なイメージを作るのが
難しかったように思いますが
オルトさんは比較的設定がシンプルで
ポムワとは違い、彼の特徴的な個性は
ストーリーへの影響度が大きかったので
バランス調整のような細かい作業が必要なかったのかもしれません。
ただ後悔していることがあるとすると
マントの飾り紐などは描くのがめんどくさいなぁと思っています😅
まだ肝心の漫画自体が完成していないのに
こんなことを語ってしまいましたが
思っているのに出さないと言うのはもったいないと思ったのでせっかくなので出してしまいました
ちゃんと漫画の方を完成させて最終的にやりたかったことの集大成を皆さんにお披露目できるように引き続きやっていきたいと思います💪🍵
たぶん完成まであと4年くらいかかると思いますが気長に見守ってくれると嬉しいです。