フェイトフェアリー物語01:4人の出会い

あーーーーーーー
今日もいい天気だなあ

 

 

…あれ?あの人はえっと…
そうだ!ミランダさんだ!

ん?あんたは…
クラウナーだったか?

ミランダさんどうしたんですか?
そんなところで一人で立ってて…

今は人が来るのを待ってるんだ
お!いたいた!

 

久しぶりだなミランダ!
調子はどうだ?

まあまあやってるよ
アンタレスは無事かい?

もちろん無事ですよ
色々手伝ってもらえて助かっています

ミランダ様〜😭

君はクラウナーだったか?
なんでミランダと一緒なんだ?

え、えっと…
ちょっと待ってください
失礼ながらみなさんに
お聞きしたいことがあるんですけど…

みなさん4人って一体
どういう仲なんですか?
ぱっと見関係性が全く
わからないんですけど…

あ…確かにそうだよな
俺達は住んでいる星が一緒で…
フェイトフェアリーという
惑星出身なんだ

そこでいろいろあってな…
それで今こうやって4人で
連絡を取り合う仲になったんだ

マーズさんはミュージシャンで
マネージャーなのがヴィーナスさん
でしたよね…
ミランダさんとアンタレスさんは
一体どういう関係なんですか?

そうか
確かに一見したらどういう関係なのか
わからないよな

ミランダとアンタレス

あたしはアンタレスの保護者だよ
怪我をして動けなくなっている
ところを見つけて
あたしが保護するようになったんだ

本当の子供みたいに育てたよ…
だからあたしとアンタレスは
親子みたいな関係なんだ

そうだったんですね…
ミランダさんが魔法使いで
見た目以上に長く生きてそうなのは
なんとなく伝わるけど…
アンタレスさんは
よくわからないからなあ

ミランダさんと妙に息が合ってるから
カップルか何かだと思ってました

バッ…!馬鹿!!
変な勘違いするな!!

あながち間違ってはない
と思うけどな

アンタレスは図体がでかいが
まだ酒が飲める歳じゃないんだ
大人と比べるといろいろ
できないことが多いが
そういうことだと思ってくれ

 

出会うきっかけ

2組で4人という感じなんですね…
どうやったらミランダさん達と
マーズさん達が出会うのか
全く想像がつかないんですけど…
どういうきっかけがあったんですか?

きっかけかぁ
その話をするとかなり長くなるな

まず最初にあたしの貯金残高が
0になったんだ

ええっ!?
大変じゃないですか!

あ…ところで…
ミランダさんって
普段どんなお仕事を
されてるんですか?

それがもう仕事からは引退しててな…
昔所属していた研究所が
あったんだが引退する際に
最低限生活に必要なお金を
永続的に口座に振り込んで
もらうよう契約しておいたんだ

しかしなんの連絡もないまま
しばらく振り込みが途絶えててな…
研究所の人達に何かあったん
じゃないかと感じたんだ。

そういうこともあるし
純粋にお金がないと困るから
仕事を探すためにも
アンタレスと一緒に
都会に出て行ったのが
全てのきっかけだった

確かにマーズさんは
都会!ってかんじするよなあ
どんなことがあったんですか!

人混みの中を歩くのが下手すぎて…
あたしとアンタレスは
はぐれてしまったんだ

うう…
あの時はどうしようかと思った…

そうやって
おどおどしてたら…
ヴィーナスさんが
助けてくれたんだ

困っていそうだったので…
当時わたくしは警察官でして
パトロールや事件や事故の調査
迷子のお世話などをしておりましたわ

え?
最初からマーズさんのマネージャー
だったわけじゃないんですね…
なんか予想外の情報だな…

このときのわたくしは
あることが気がかりでした

無名の犯罪集団が裏で
大きな動きを見せていたのです。
軽犯罪が多い集団だったので
警察はあまり本格的に調査せず
別の大きな用事にあたっていました

ですがその集団の在り方や精神性
といったものが不穏に感じまして…
いつか大きな事件を起こして
しまうのではないかと感じ
わたくしは業務とは関係なく
個人的にこの集団について
調査を行なっていました。

ええっ!?
業務外で犯罪の調査を
してたんですか!?
熱心ですね…

無関係の人を傷つける行為は
道理に反していますし
見過ごすわけにはいきませんわ。
それもあって警察官に
なったのですから…

そしてわたくしのその勘は的中
してしまうのです。
その犯罪集団は爆薬を大量に用意し
街そのものを破壊しようと
していたのです

えええーーーーっ!?
とんでもないじゃないですか!
ミランダさん達は大丈夫だったんですか!?

あたしはそんなことが
裏で起きていたなんて
当時想像もしていなかった…
その時街はマーズのゲリラライブ
のことで大盛り上がりだったんだ

 

この時に開催したゲリラライブは
規模がでかくてな
街中を浮遊する乗り物で
動きながら歌う
新しい試みのものだったんだ

街全体を使ったライブですか!?
めちゃくちゃ面白そうだけど…
でもどこかに爆薬があったら
大変じゃないですか!

俺もその時は
犯罪が起きようとしていたなんて
全く知らなかった…
しかしライブを行う上で警備体制は
かなり強力なものを用意していたんだ

だから街中に警備の目があり…
たまたま犯罪集団の計画の阻止に
一役買っていたみたいなんだ

なんかすごい奇跡ですね…
マーズさんってすごい星の元に
生まれてる感じするなあ

警備員が不穏な空気を感じていたが
ライブを聴いてくれている街の人達を
パニックにさせてはいけない。
俺のライブの集客力を利用し
乗り物の進路を変えて
ライブの盛り上がりを保ったまま
人々が自然と安全な場所に
移動できるように誘導したんだ

エンタメが人命を守るために
活躍したのか…

 

あたしがようやく
人混みから解放された時に…
アンタレスとヴィーナスに
会うことができて
同時に街が犯罪集団に
狙われていることを
聞かせてもらったんだ

あたしの魔法の力があれば
犯罪集団を一網打尽にできるかも
しれないと思ってな
ヴィーナスに犯罪集団の
手がついていそうな
怪しい場所に連れて行ってもらった

ドキドキ…!
とんでもなく危険だけど
話を聞くだけだとすごくかっこいい
と思ってしまうな

 

犯罪集団の下っ端達が
何度も襲いかかってきたが
あたしとアンタレスにかかれば
大したもんじゃなかったよ

たくさんの猛攻を潜り抜けてきて…
そこで下っ端が巨大な塔のてっぺんに
設置した時限爆弾の場所の情報を
漏らしてくれたんだ

時限爆弾が設置?!?!
解除しないと大変じゃないですか!!

だからあたし達はその場所に向かった
街を一望できる巨大な塔のてっぺんだったよ

ここが爆発したら街が大騒ぎになる…
なんとしても時限爆弾は
停止させないといけませんでした

その時限爆弾には…
赤い導線と青い導線があって
どちらかを切らないと止まらない
仕組みになっていた

うわあ!サスペンス映画とかで
あるやつじゃないですか!!
どっちを切ったんですか!?

水に水没させた

それで止まるんだ…

時限爆弾を抱えたまま
山のように高い塔の上から
飛び降りたんだ

そしてその下にあった噴水に
時限爆弾を沈めて
爆薬を使い物にならなくして
爆発を阻止したんだ

その説明があると
すごくかっこいいな…

そんなことがありわたくし一人では
進めることが難しかった
犯罪集団の目論見を阻止することが
できました
本当にミランダ様とアンタレスくんのおかげですわ

ライブが終了した後に
警備員達から犯罪集団の話を
詳しく聞かせてもらったんだ
犯罪から街を守ってくれた人達に
ぜひ感謝の気持ちを伝えたいと思って
それでミランダ達とヴィーナスに会うことができた

これでようやく4人が揃うんですね。

そうだ非常にドラマチックな
出会いだったんだ
だからこうやって今も親しく
繋がっているのは
自然なことだろう?

たしかにそれを聞くと深い関係性を
持った人たちなんだなと
改めて感じられますね。
すごい話きいちゃったなあ。
貴重なお話ありがとうございます!

実は話はこれで終わりじゃないんだ

え?

犯罪集団の目論見は阻止しましたが
根絶はできておりません
なのでその後わたくし達は
犯罪集団のアジトに
潜入することになります

その話はまた今度してあげよう

アジトに潜入!?
どうなっちゃうんだーー?
続きはまたよろしくお願いします!