
あっ!
マーズさん達じゃないですか
前に言ってたアジト潜入
のお話聞かせてください!

おおわかった
話してやろう!
アジト潜入準備

事件があった後も
わたくしは犯罪組織の調査を
続けておりました
下っ端が乗っていた車に
探知機を取り付け
アジトの場所はおおよそ
推測できるようになりましたわ

ヴィーナスさんいつの間に…!
抜け目ないなあ

しかし場所が分かったとしても
どれくらいの規模か
どういう構造の場所なのか
わかりません
ましては組織にとって都合の良い
構造になっているはずです。
当然そのままでは乗り込むことは
できませんでした。

ライブにいた警備員の多くは
俺様のファンクラブの会員で
ボランティアでやってくれた
人達だったんだ。
だからライブが終わった後も
コンタクトを取ることが出来たんだ

俺様の活動はあくまで
エンターテイメントだが…
今回あったことで自分の活動が
人の命を救うのに役に立つ
と感じるようになったんだ

だから前回のライブであった
犯罪組織のことについて
警備員をしてくれたファンに
色々聞いて回った。
それでその情報をヴィーナスに
提供したんだ

情報が集まったので
職場の人にも相談を持ちかけました…
しかし先日の犯罪集団の行いは
阻止できてしまったため
皮肉にも大きな問題には上がらず
そのせいで調査の重要性を
職場の人に伝えるのが困難でした

警察は基本的に問題が起きてから
動く組織ですので
問題が起きる前の危険性の話をしても
動いてくれないんですよ

組織によって
事情があると思いますけど
それでもちょっと酷い話に感じるな…

警察への交渉が失敗したことを
マーズに伝えると…
マーズはさらに行動を
移してくれました

警備員の中に
犯罪組織の撲滅に協力したいという
人達が現れてくれたんだ
だからそのことをヴィーナスに伝えた

警察で犯罪組織に立ち向かう人たちを
集められなければ
俺達が集まって犯罪組織に
立ち向かえばいい
警備員たちの中でそう言う流れが
生まれてきたんだ

え?でもそれってすごく危険
じゃないですか!
一般人の集まりが組織に
立ち向かうなんて
めちゃくちゃですよ!

確かにそうだが多種多様な
職種の人たちが揃っていてな
それこそ警察官の人や
重機の取り扱いに長けた人もいた

アジトに乗り込めるような
人達がたくさんいる
そのことをヴィーナスに伝えた

正直それだけでは承諾は
できませんでした…
協力者の中に死者が出てしまう
可能性が高く
あまりにもハイリスクでした

ですが…その問題を解消できる
一つの望みがありました

望み…?
それってなんですか?

ミランダ様の存在ですわ

わたくしはミランダ様と
アンタレスくんが組織相手に
戦う際の立ち回りを
見ておりました。
ミランダ様の魔法は
攻撃に使うだけでなく
味方のサポートなど戦闘を
円滑に回すための工夫が素晴らしく
軍勢を組んだ時にその強さの
真価を発揮できるのではないか
と感じました。

なので警備員の方達とミランダ様の
力を組み合わせれば
犯罪組織を解体することは
可能ではないかと感じました。
ミランダ様にもその旨を伝え
アジト侵入の計画を進めることになりました

すごい…!みんなのそれぞれ
違う力を合わせて
それが実現できたんですね!!

わたくしとマーズが組織の調査を
続けている間に
ミランダ様と警備員たちは
アジトに乗り込むための
戦闘訓練を行っていました

最初はバラバラだったが
練習を続けるうちに
すごいチームワークになったよ

みんなすごかったよね

この時にはわたくしは
警察官を退職しておりました
マーズからマネージャーと
ボディーガードをやらないか
というお誘いがあったのです

それ以前にもマネージャーと
ボディガードを雇ったことが
あるんだが関係が長く続かなかったり
宇宙の果てまでついていって
くれるような人物は現れなかったんだ

短期的な目標と長期的な目標が
お互いに合致して
マーズとは今も関係が続いていますわ

何だか奇跡的ですね…!
人との出会いって
ほんと不思議だなあ

それで準備が揃ってきて…
いよいよアジト潜入だ!
アジトに潜入!

クラウナーさん
「城壁」と聞いて
分かりますか?

え?城の周りを囲っている
壁ですよね?

そうです。
アジトというのは
敵の侵入を防ぐために
外側からは容易に入りにくような
構造になっているものです

なのでアジトに侵入するには
門番の目を破って
中に入る必要があります。

だから誰かが
囮になって
敵をおびきよせる
必要があったんだ

しかしあれはたまげたな!
それでまさかミランダが
魔法少女に変身しちまうとは!

そっ😳
その話はやめてくれ〜〜〜〜!!💦

え???
一体どういう状況
なんですか?!?!

なかなかインパクトがあってな
門番はもうそれに夢中…
おかげで俺たちの軍勢は
派手に敵のアジトに突入できた

なんかすごい力技だな…
にしてもなんで魔法少女に
なってしまったのか
気になるんですけど…

門番の奴らはなかなか
ノリが良かったよな
もともと組織側の方の待遇が
良くなかったみたいでな。
色々鬱憤が溜まってたようで
俺たちの軍勢の仲間になってくれた

そ、そんなことあるんだ…
でもそれで好スタートを
切れたんですね!
アジトで乱闘!

ところでだが
俺はアジト潜入の場
にはいなくてな
みんなの活躍は
ドローンで監視していた

マーズは有名人ですから…
そんな危険な場所に行って
命を落としては
いけませんからね

アジトの中は
すごい乱闘騒ぎになった。
侵入を防ぐための
仕掛けもたくさんあってな
深部に辿り着けず
戦闘不能になった仲間も
たくさんいた

仲間になってくれた
門番の人たちのおかげで
色々助かったよ

ミランダ様は主に戦いの中心で
魔法を使った軍勢のサポートに
周っていただきました。
わたくしはミランダ様が
攻撃を受けないように
護衛に周って戦闘をサポート
しておりましたわ

俺とアンタレスは
隠し通路に潜入して
いろんな仕掛けを解いたり
してたよな

俺はドローンとして
その場にいたから
人が入り込めない
小さな隙間に入れたんだ

アンタレスも体が柔軟だからな
かなりいい役割分担で
進められていたと思うよ

なんだか順調ですね!

そうだと思うだろう?
しかし…
どんどんアジトの深部に
近づいてくると
雲行きが怪しくなってきた

それこそ
「アジトの闇」
を目の当たりにしたような感じだ
アジトの闇

門の周辺や表層の部分は
主に組織の下っ端が
溜まっている場所だった。
下っ端ということはまだ
組織の思想に染まっていない
ような奴らが多くてな
なんやかんやで雰囲気はそんなに
悪くなかったんだ

しかし深部に行くにつれて
幹部のようなやつらと
一線交えることになった…
そいつらは下っ端と違って
卑劣な作戦であたし達を
攻めてきたよ

それこそ味方を犠牲にして
あたしたちに猛攻を仕掛ける
ようなこともしてきた

うわぁ…
まさに「悪」って感じですね…

わたくしもそれを見て
非常に心が痛みました…
人がいて成り立つ組織として
こんなことはあっては
ならないことです

奴らのやり方を見て
気を抜いたら命を奪いにくると
感じてな…
より強固な魔法で
軍勢を守ることに徹することにした

ボスの部屋は目の前だというのに
幹部とやりあうのと
軍勢を守り抜くことで精一杯だった

だから…
ボスの部屋に侵入して
ボスと戦う役目は
アンタレスに託したんだ

おお!
とうとうアンタレスくんが…!
重大な役目ですね!

ボスの部屋を解除する際に
俺のドローンは
壊れてしまった。
後は頼んだアンタレス!
ボスと一騎討ち

え、えっと…

ボスはすごく機嫌が悪そうで…
すごくイヤな戦いだった…

森で狩りをしている時は
楽しいのに…
あの戦いは全然楽しくなかった

お…おぉ…?

人とは思えないような
とんでもない力…
それでミランダ様が作ってくれた
機械の腕
バキバキに壊された…

神経?と繋がってたから…
とんでもなく痛かった…

うわぁ…
想像するだけでゾッとするな

恐らくアンタレスと
ボスとの戦いも
あたし達と幹部との戦いも
泥沼のように不快感の強い
ものになっていった

あたし達も相手も疲弊していって
戦う体力もどんどん底を尽きてきて
正直精神的な限界を感じたよ…

うわあ…辛いですね…

俺のドローンは壊れていたが
映像と音の情報は送られてきていた。
みんなが辛い思いをしている…
俺にできることがないかと考えた

そこでサプライズできれば
と思ってな!
俺自らが浮遊する乗り物で
現地に赴きアジトの上空で
ゲリラライブを開催したんだ!

ええ?!戦っている最中に
何してるんですか?!

わたくしもそう思いましたが…
しかしみんながマーズの歌に
勇気づけられて
わたくし達の軍勢は戦う意志を
取り戻しました

そのノリで下っ端達が
あたし達の仲間になって
幹部と戦ってくれてな
結果的に戦闘は良い方向に
進んでくれたよ

まったく…
銃弾が飛び交うような
場所だというのに…
マーズは勝手なことを
してくれました

だってさあ!
俺様だってみんなの役に
立ちたかったんだよお!

その時流れてきた曲…
何の曲か知らなかったけど
聞いていて熱く燃える
何かを感じたよ

マーズさんのおかげで
俺も最後まで力を振り絞って
戦うことができたんだろうな
って思う

おお…!
音楽の力ってすごいな…

ところで…
アンタレスの機械の腕は
銃に変形できて
それを武器に戦っていたはずだ

バキバキに折られたって
言ったよな?
その腕が使えなくなって
どうやってボスと戦ったんだ?

バスティックには
獣のようなキバやツメは生えていない
だから武器を失ったら丸腰で
何もできないはずだ

えっと…

…頭突き?

え??

あとツメ…

バスティックにツメなんて
生えてないぞ

え…?そうだっけ…

ごめんなさい…
よく覚えてなくて…

何度かアンタレスに
当時どうやって戦ってたのか
聞いたんだが
毎度こんな感じなんだ…
ボスと戦った後のアンタレスは
本当にボロボロだった

武器を失って全身を使って
戦っていたのかもな…
まったくどうしてそんな
無茶苦茶なことができるんだ!

ミランダ様が
治してくれると思って…

…!ああ!もう
アンタってやつは…!🥹

アンタレスくんが
ミランダさんを深く信頼していたから
ボスに勝てたのかもしれませんね!
戦いが終わって

大きな騒ぎで
多くの負傷者が出ましたが
わたくし達の軍勢にも
犯罪集団の軍勢にも
死者は出ず大事には
至りませんでした

ここまでのことがあったのに?!
すごいですね…!

犯罪組織のアジトの中には
所持しているだけで犯罪になるような
さまざまな武器や薬品などが見つかり
結果的に警察に通報することができ
犯罪組織を解体することができました

ボスや幹部といった
犯罪になる武器や薬品の所持に
関わっていた人たちは
逮捕されることになりましたわ

野放しにならなくて
良かったですね!

はい
しかし犯罪集団のボスと幹部も
ちょっとかわいそうな方々でして…
彼らも社会の犠牲者といいますか
精神的なケアが必要だと感じました。
施設で適切な処置を受けられて
いたらいいなと思います

それとな…
武器や薬品の所持に関わっていない
多くの下っ端達は組織がなくなって
居場所がなくなってしまったんだ

どこにも行くあてがなくて
最終的に辿り着いた場所が
その犯罪組織だったから…
あたし達が彼らの居場所を
奪ってしまったんだ

えぇ…😧
また新しい居場所を探した挙句に
別の犯罪に手を染めてしまう
みたいなことが起きたら
同じことの繰り返しに
なりそうですね…

だけど彼らにも新しい居場所が
見つかったんだよな

わたくしの親族の中に新しく会社を
立ち上げた人がいまして…
多くの人手を必要としていたので
職を失った下っ端達の多くは
そこの従業員として雇われましたわ

ええ?!
…ってヴィーナスさんって
いいところの
ご令嬢なんでしたっけ?
やることの規模が違うな…

そんな方法で
人を救えるなんてな…
なんだか色々考えさせられたよ

ああ
でもこれでみんな
助かったんですよね!

そうだ!
その後は俺たちの軍勢や
足を洗った下っ端達と一緒に
盛大に祝ったよな

それは盛大でしたね

七面鳥のアニミックの
花火職人達がいてな
たくさんの花火を
用意してくれたんだ

そしてそれが大爆発!
七面鳥の丸焼きになって
俺たちのことを
祝ってくれたんだ

うわあ体張ってるなあ…
その丸焼きになった人達は
無事だったんですか?

わからん!!

そんな感じで
アジト潜入の
一連のお話はおわりだ!

いやあ〜すごいお話を
ありがとうございます!
いろんなドラマがあって
結果的に多くの人たちが
救われて良かったです!

めでたしめでたし
だね

…あれ…
でもなんか忘れてるような…

…あ!
ミランダさんの貯金が0になって
研究所からお金が振り込まれて
いなかった件って
結局何だったんですか?

ああ…それに関しては
この話とは別件だったんだ
その話は別の機会に話そう

わかりました!
ではまたの機会に…
改めてよろしくお願いします!